学習障害?知的障害?発達障害?
学習障害(LD)という言葉には”障害”という言葉が含まれているため、知的障害や発達障害との違いがわかりにくくなっています。
学習障害(LD)と知的障害、発達障害は何が違うのでしょうか。
学習障害(LD)の定義は以下の通りです。
- 全般的な知的発達に遅れがない(知的障害ではない)
- 学習に直結する6つの能力のうち一つ以上が困難
- 後天的な原因でなるものではない
また、学習障害(LD)は発達障害の一種であり、発達障害に学習障害(LD)は含まれると考えてください。
まとめると、知的障害がないにも関わらず、学習に直結する6つの能力 (=6ツール)に先天的な弱点がある発達障害のことを学習障害(LD)または限局性学習症(SLD)といいます。
旧文部省による学習障害(LD)の定義 学習障害(LD)とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。 学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。 |
学習障害(LD)/限局性学習症(SLD)の原因となる6ツールの弱点は具体的には以下の通りです。
- 聞く力の弱点
- 話す力の弱点
- 読む力の弱点(識字障害=ディスレクシア)
- 書く力の弱点(書字障害=ディスグラフィア)
- 計算する力の弱点(算数障害=ディスカリキュリア)
- 推論する力の弱点
この6ツールのうち1つ以上に困難が生じている場合に「学習障害(LD)/限局性学習症(SLD)もしくは学習障害(LD)/限局性学習症(SLD)の傾向がある=LDグレーゾーン」と見なされます。
※一般的に言われる「読み書き障害」とは「識字障害=ディスレクシア」「書字障害=ディスグラフィア」を合わせた呼称。
学習障害(LD)/限局性学習症(SLD)の特性による困難
学習障害(LD)/限局性学習症(SLD)を「勉強が苦手な子」と同じように捉えることは誤りです。
なぜなら、学習障害(LD)/限局性学習症(SLD)は勉強をする上で必要な基礎的な能力である6ツールに弱点があるため、単に勉強が苦手なだけのお子さんとは根本的に対策が異なるからです。
正しい知識なく「良かれと思った間違った対策」をしてしまうと、善意であるからこそお子さんを追い詰めてしまい、二次障害のリスクが高まります。
二次障害とは 発達障害(一次障害)を原因として、周囲からの理解を得づらい環境で、繰り返し注意されたり、不安な経験をしたりすることで自己肯定感が下がり、うつ病、不安障害、ひきこもり、極端な学習への拒否感等の症状が発生している状態。 |
例えば、以下は間違った対策の典型です。
識字障害(ディスレクシア)のお子さんにとにかく読書をさせる | 書字障害(ディスグラフィア)のお子さんにひたすら書く練習をさせる | 算数障害(ディスカリキュリア)のお子さんに延々と計算ドリルをさせる |
書くこと自体にストレスを感じる上に、練習量の割に向上しないため、苦手意識を強めてしまう | 書くこと自体にストレスを感じる上に、練習量の割に向上しないため、苦手意識を強めてしまう | 量をこなしても精度が上がらず、それどころか質の低いやり方が定着してしまう |
Re学院では学習障害(LD)/限局性学習症(SLD)へ対応した合理的配慮が可能です。
お気軽にお問い合わせください。